彼は還暦を過ぎて

10歳年下の私も、更年期を迎えて

最近の話題はすっかり、お互いの体調や、老後の話になってきたかな。





彼は定年を過ぎて、再雇用で今までと同じ部署・肩書きで働いてるけど、

どうやら来春、異動になるらしい。

そうなったら退職すると言ってる。



「辞めたら(ストレスがなくなって)元気になるかもね!」

と言ったら



「そんなことないよ。早死にするだけだよ」

だって。




本当に、考え方まで年寄りになっちゃって、
彼らしくない。





食べること、飲むことが好きな彼は、今でも時々、会を主催しているけど、


退職後は、それに力を入れて、定期的に催しを行いたいと言ってた。





そして私との関係は、体力が続くまで。

出来なくなったら、会わないそう。

もちろん、電話で話したりは、ずっとするそうだけど。



こればかりは、考えても仕方ないから。

成り行きに任せるしかないかな?





まだ付き合い始め、

お互いに20代、30代だった頃、

彼がよく言っていた。



「お爺さんお婆さんになっても、

ずっとエッチしようね」



それが現実になった今、感慨深いと同時に、

終わりが近付いているんだなぁと寂しく思う。






この間、彼に抱かれながら


「本当に幸せ」

という思いが込み上げてきた。



彼の耳元で、その言葉を伝えたいのに、

涙で詰まってしまって、

声を発することが出来なかった。





昨年の今頃は、彼への不満が爆発して、

喧嘩したり、仲直りの為の旅行へ行っても、気持ちが収まらなかったりで、散々だったけど


「あれは、久美ちゃんも更年期でイライラしてたんじゃない?」

と、彼から納得してくれた。



本当に、そうだったかも知れないし、

ある意味、彼に対して諦めと言うか、

言葉や態度に現れないけど、彼が私を想う気持ちがあることがわかったり、

私の、彼に対する変な執着心が薄れたり、

そんなことが、私の心を軽くしてくれていると思う。


そして彼も、そんな私との関係が楽になって、


結局は、二人の関係が落ち着いてきた感じです。


今年は、穏やかな年末年始を迎えられそうだな。